翌朝。
カーテンを開けてみたものの窓の外はまだ黒々としていましたが、左上南東の方は微かに明るみを帯びて山影を浮かび上がらせていました。
恐らく今日は良く晴れるだろうと、暫くして廊下へ出ると、突き当たりの窓から雲がやや残る薄青の空が見えました。
「ふれあいパークみの」さんから弥谷寺は目と鼻の先ほどの距離で、納経所の開く時間を考えるといつもほど早く出発する必要も無く、朝風呂を頂いて朝食の菓子パンなどをゆっくりと食べながら当日の行程を確認しました。
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7時過ぎに宿を出て弥谷寺へ。やや湿り気を帯びた朝の空気が心地良く、足の状態を確かめながらゆっくりと歩き出しました。
痛みは相変わらずありましたが、前日に比べると幾分落ち着いた様に感じていました。
弥谷寺山門前へ7時半頃。噂に聞いていた本堂までの長い階段は如何ほどかと登り始めましたが、構えていた事もあってか確かに段数は多いものの、案外あっさりとした印象でした。
千手観音様のお祀りされた本堂高台からの眺望も良く、境内に植る木々を見ると紅葉の季節は見事な景観になりそうです。
大師堂は納経所などと併設された形で、参拝後に獅子の岩屋や磨崖仏など内部を拝観して御寺様を後に、次の札所へ向かいました。
ここからは比較的御寺様同士の間隔が近く、納経帳の頁も進むので嬉しいところでしょうか。
弥谷寺から曼陀羅寺へ向かっている途中ふと気付くと、散々悩まされていた足の痛みがどういう訳か消えていました。
今日になって湿布や鎮痛剤が効き始めたとも考えにくく、一体どういう事だろうかと思いながらも有り難く思い歩を進めました。
曼荼羅寺に続き出釈迦寺もあっという間の距離。山門前の弘法大師像前から後ろの山を見上げると、捨身ヶ嶽の御堂と思しき姿がありました。
なるほどあれかと、参拝を済ませていざ上へ。
舗装された坂を25分ほど上がりましたが、この坂、なかなかの急坂。体力を削られましたが、なんとか登り切ることができました。
参拝を終え写真を撮りながら、こんなものなのかなと思っていると、御堂の横へ入って行く人が一人二人。
何かあるのかと行ってみると、狭い通路を潜った先に更に上の「捨身ヶ嶽大霊域」へ登る岩場が現れました。
なるほど続きがあるのかと岩場へ入って行きましたが、ここも中々の傾斜と鋭い岩肌のため、持参した軍手を着けて先へ。
鎖の掛けられた岩場を登り切って何とか捨身誓願の場所へ。こんな場所から幼少の弘法大師は飛び降りられたのかと、周囲の絶景を暫く眺めました。
戻りは足に気を付けようとゆっくりと下って行きましたが、消えていた痛みが徐々に現れ始め束の間の休息だったかと諦め甲山寺へ。
大型連休中の為か、何処の御寺様でもお遍路さんをはじめ参詣者の方が入れ替わり立ち替わり訪れて賑やかな様子。
年末年始とお盆の時期もそれぞれ二度歩きましたが、暑さ寒さの厳しい時期はやはり足が遠のくのか、この時季ほどの人出ではないように感じます。
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甲山寺を出てそろそろ善通寺かと歩いていると道沿いの一角、うどん店の駐車場が賑わっていました。
何だろうかと近付きつつ、これはもしや名店なのではと行ってみる事に。
「宮川製麺所」と書かれた看板の下、葦簀の日除けの脇から店内に入ると14時半過ぎにもかかわらず老若男女の混雑。
関東とは違う汁の旨みと歯応えのうどんにお腹が満たされ、善通寺へと向かいました。
コメント
次に寄り道したい場所の一つにこの捨身ヶ嶽があります。見上げるほどの高さがあったので遠慮させていただきましたが舗装道なんですね。25分程度で着くなら頑張ってみたいです。
@あの時の亀
コメント有難う御座います。
下から車で上がって行く事も出来るようですが、車がひっくり返りそうな坂なので徒歩の方が良さそうです。
御堂の裏手から登る捨身請願の大霊域は急峻な岩場ですが、眺めはとても素晴らしいのでおすすめです。
そこで出会ったお遍路さんから「縦走ですか?」と聞かれて何の事かなと後で調べてみると、捨身ヶ嶽のある我拝師山周辺を縦走するルートがあるようなので、機会があればそちらも歩いてみたいですね。