宮川製麺所から程なくして当日の宿地でもある善通寺へ到着。
最初に足を踏み入れたのは御影堂のある西院でしたが先ずは本堂からと、仁王門を出て道を渡り東院へ。
東院、西院共に多くの参拝者とお遍路さんの姿がありました。
露店の並ぶ参道を経て小さな門を潜ると本堂と五重塔が見え、境内の一角には巨大な楠が二株。
初めて訪れたはずなのに何か帰って来たような、妙に落ち着く不思議な感覚でした。
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広々とした境内の中央を進み、先ずは本堂へ。
御堂前の香炉には見たことのない程沢山の線香が献じられ、傍の蝋燭台も同じく、灯明を上げる場所もない程びっしりと埋め尽くされていました。
堂内へお邪魔して薬師如来像の脇で読経。
参拝を済ませて外へ出ると五重塔に吸い込まれて行く人の姿が目に留まり、近づいて行くと内部の公開期間中との事で拝観させて頂く事に。
狭く急な階段を上がり二層目から外の回廊へ出ると、善通寺の諸堂や周囲の山や町並みを見渡すことができました。
拝観を終えてすぐそばの大楠の元へ。
側には「樹高約30m 枝 東西約24m南北約29m 幹囲約11m」と記された看板。
ここまで四国各地で樹齢千年を超える楠を何度か見て来ましたが、この大楠はそのどれとも違う、何か言い様の無い力を宿していました。
東院を後に、再び仁王門を潜って御影堂の在る西院へ。
御影堂奥殿のある場所は、かつて弘法大師空海の御生母、玉寄御前のお部屋があった場所という伝承があるそうです。
つまりこの場所で弘法大師空海がお生まれになったのではないか、と伝えられているそうです。
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御影堂での参拝を終えて御堂の外へ出ると、縁に座るおびんずる様が目に留まり、お側へ。
普段、神社仏閣でお願いをする事は無いのですが、この時ばかりはおびんずる様の足を摩り「痛みが取れますように」と念じてみました。
納経所で押印墨書頂き、例の如く売店で手拭いを購入して宿坊へ。善通寺の宿坊は是非とも泊まってみたいと思っていたので、部屋が取れたのは有難い事でした。
翌五月三日 巡礼七日目。
6時の朝勤まで荷物をまとめたり、軽い食事と水分を摂りながら日の出を待ち外へ出ました。
当日はここまでの七日間で一番の冷え込みを感じ、薄い長袖と上着を羽織って丁度良い体感でした。
日中の賑やかな境内も良いものですが、明け方や夕刻の人気の少ない情景もまた良いものです。
朝勤は御影堂内で僧侶の方々の読経を聞き、続いて全員で般若心経を一誦。その後、短い法話があり最後に地下の「戒壇めぐり」へ。
真っ暗な通路を壁伝いに進むと、奥には大日如来像が安置されていました。
朝勤後に食堂で朝食を頂き9時半に出発。
宿坊を出て御影堂と本堂へ御挨拶。東院の赤門を出て最寄り駅の善通寺へ。
今回の札所巡礼は善通寺にて打ち止めとしました。
土讃線で多度津へ出て予讃線へ乗り換え、ここまでの六日間を巻き戻して行く様に松山方面へ。
車窓に流れる景色をぼんやりと眺めながら列車に揺られること約一時間。
今回の出発地点、再びの伊予西条で下車しました。
コメント
五重塔に登られ撮られたお写真、何かその当時に境内を見渡している誰かに私がなったつもりでしばらく見させていただきました。確かに善通寺は他のお寺とは違う雰囲気というかパワーというか、独特の気配を私も感じました。
@あの時の亀
コメント有難う御座います。
運良く内部公開中に訪れる事が出来たのは有難い事でした。
東院、西院共に全てを見尽くす事は出来ませんでしたが、次回の区切り打ち再開時にはなるべく時間を割いて境内をゆっくり歩いてみたいと思います。