#80 屋島

#80 屋島

前夜、台風の影響により帰路の搭乗便欠航との連絡が入り、更に陸路の東海道新幹線も15,16日と東京新大阪間で計画運休となった為、当初予定していた日程で自宅のある関東圏へ戻る事が難しくなりました。

さてどうしたものかと、空路は台風が過ぎた後も天候が落ち着くまでは難しいだろうと考え、ひとまず岡山へ出て天候の様子を見て、18日あたりでの帰宅を目指す事にしました。

宿を出ると、前日同様じっとりと肌に染み付く様な暑さ。すぐに吹き出す汗に今日も暑くなりそうだと、市街地を屋島寺へ向けて。

御坊川沿いを進みながら、このまま北上すると高松市街へ出る事を思い出し、ここまでやってきたんだなと、四国遍路の旅が終盤である事を改めて実感しました。
栗林公園などにも足を運んでみたいところでしたが、まずは札所巡礼が先決と東へ。行手に特徴的な山型が現れ、あれが屋島かと、登る前にコンビニに立ち寄り小休憩。

遍路の道標に誘われながら幹線道路から外れて住宅地を抜け、道は徐々に勾配をつけていきました。御寺様までの道は舗装されていて歩き辛さはありませんが、暑さのせいか息が弾み汗が流れ落ちます。

地元の方か、他に登られている方も多く、下りの方から有難い塩飴のお接待。
標高は200数十メートルとそれほどではありませんが、山門前へ着くまでに思っていたより体力を消耗しました。
境内には家族連れの方も多く、賑やかな様子。
納経所で、続く八栗寺への道を確認してそちらへ向かうと、源平屋島合戦の舞台が一望出来る場所へ。

其々に興隆を極めた両氏も、今は姿もその声も観る事は出来ません。そして屋島やその周囲も、当時の姿とは違うのでしょう。
あらゆる一切は常に変化し続け、一時も同じで在るという事は無いのだと、眼下に広がる風景が語りかけているようでした。

屋島寺からの下りは中々の急坂で足先に危うさを感じましたが、何とか下り切って平地へ。
丁度昼時という事もあり、道中にある「山田屋」さんに立ち寄って腹拵えをしようかと、再び足に力を入れました。

途中、洲崎寺という御寺様で足を止めて。
二年前の夏、最御崎寺様で出会ったお遍路さんから是非にと勧められたこちらの御寺様は、源平合戦との縁があり、四国遍路を庶民に広めたといわれている「真念」の墓所があるそうです。

朝方に感じた通り、この日もよく晴れて容赦の無い陽射しが降り注いでいました。
電柱の看板を頼りに山田屋さんを探し、ここかと到着するも、駐車場は既に満車の様相。これは無理かなと店内入り口の方へ回ると長蛇の列に已む無しと諦め、駐車場の自販機で水を買い足し八栗寺へと歩を進めました。

少し行くとケーブルカー乗り場が見え、表に出ていた駅員さんに道をお聞きすると、駅左手からどうぞと御案内。
舗装路を暫く進むと途中から未舗装の山道へ。
上までの距離は短いですが、ここも中々の登り。展望台の様な場所へ出て景色を眺めながら呼吸を整え山門の方へ。

山門を潜ると正面に本堂。後ろに聳える山と岩肌も相まって無二の景観に暫し見入りました。
本堂右手方向に進むと大師堂と多宝塔。
参拝を済ませて再び本堂の方へ戻り納経を済ませ、もう一度大師堂の方へ返して当日の最終札所、志度寺へと向かいました。

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コメント

  1. 屋島寺、八栗寺は終盤近くになりながらも、これまでの遍路道中とはまた違った新鮮な雰囲気を感じました。例のうどん屋さんは行列でしたのでパスしたのですが食べてみたかったです。どちらのお寺も観光客が多く賑わっていましたが、私的には静かなお寺の方が落ち着きます。

  2. ゴールデンウィークに山田屋さんの前をちょうどお昼に通りましたが、道路は駐車場に停めたいクルマの大渋滞でお店も外まで人があふれてましたが、どうしても食べたかったので、順番待ちの紙(とんでもない人数)に名前を書いて待ちました。40分ほどで呼ばれ、注文をしたら5分ほどでうどんが来て、10分ほどで食べ終わり、滞在時間は1時間もなかったです。

  3. @あの時の亀
    コメント有難う御座います。

    山田家さんは少し残念でしたが、二日目からほぼ毎日美味しいうどんを頂けていたので、まあ良しとしました。
    時季的なものなのか、屋島寺、八栗寺共に家族連れの方が多かったように思います。
    この日の最終札所は志度寺でしたが、夕方という事もあってか参拝の方も少なく静かで、鬱蒼とした木々と柔らかな夕日が相まってとても良い雰囲気でした。

  4. @ひろ(歩き)
    コメント有難う御座います。

    やはりいつも混雑しているのですね。
    でも考えてみれば、どのうどん屋さんも回転率が高いように思います。
    混んでいても1時間ほどで食べられるのなら並んでも良かったかもしれませんね。次回訪れる機会があれば並んでみます!

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