#87 高野山

#87 高野山

お世話になった中川旅館さんの部屋には、丁石道の迂回路についての情報がまとめられたファイルが置かれていました。

令和六年の豪雨で、丁石道の二箇所で崖崩れが発生し通行止めになっているという情報は、区切り打ち出発前に耳にしていました。

近くの温泉へ送って頂く車内で、中川旅館の御主人に丁石道の事をお聞きしてみると、
一ヶ所目の崩落現場は復旧がほぼ終わっているが、行政が通行止めにしているとの事。

迂回路を行くと1時間半くらい余分にかかるが、崩落箇所は自己責任で行くのであれば通れない事は無い、とのお話しでした。

翌朝3時半に起床して7時出発。

丁石道を目指して先ずは2km程先の慈尊院へ。
本堂大師堂と参拝を済ませ、境内奥の石段を上がると丹生官省府神社。
茅の輪をくぐり本殿へ参拝後、丁石道への案内札に誘われて8時半に入山しました。

四国の丁石とは違う背の高い「丁石塔」。
こんな重量物を山奥まで運ぶ人々の思いとは、どれほどのものなのかと。

鬱蒼とした杉林の中を登り始めて1時間程。
少し開けた休憩所のような場所へ出たので、下に履いた発熱インナーと上着を脱ぎました。

道中「熊出没注意」の札を目にしましたが、この辺りではまだ襲われた人はいないと、中川旅館の御主人の言葉を思い出しながら先へ。

行手に二つ並んだ鳥居が見えると、そのすぐそばに件の崩落箇所通行止めと迂回路への案内。
カラーコーンにバーという簡素な処置で、確かに越えていくことは出来そうでした。

ちなみに、終盤にも二つ目の崩落箇所がありますが、こちらは丁石道の上にある車道の端から崩れていました。
この場所は道路を含めた大規模な復旧作業が必要な為か、丁石道は完全に封鎖されていて、すぐそばにしっかりとした迂回路が作られていました。

13時半 町石道を抜けて大門前へ到着。

最後は丁石道を登り切って大門前へ出ますが、目の前にドンと現れたその存在感に圧倒され、暫く立ち尽くしていました。

大門を潜って街中へ。
塔頭寺院など御寺を中心とした独特の街並み。
途中、壇上伽藍と根本大塔が目に入りますが、先ずは金剛峯寺へ。

壇上伽藍から暫し。
御門を潜ると雪の名残。
少しでも空がグズれば雪がちらつく空模様のなか読経を始めましたが、鼻から水が垂れ口も覚束ず、無様な参拝となりました。

続けて奥之院へ。

一の橋から弘法大師御廟までの2km弱の参道には、約二十万基と言われる墓所が立ち並び、樹齢数百年から千年を越えると思われる杉の巨木が林立する様は、正に異世界でした。

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コメント

  1. お写真のどれもが四国のどこにも当てはまらない世界観を感じたと同時に、やはりこの場所も訪れるべきだと思いました。

  2. @あの時の亀
    コメント有難う御座います。

    麓の慈尊院から続く丹生官省府神社、丁石道の道中、伽藍や町中の様子など、その一つ一つに四国或いは他の地域でも見た事のない、ここだけという感じを私も受けました。
    是非、足を運ばれる事をお勧めします。

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