
奥之院での参拝を終えて、もと来た道を大門の方へ戻り、当日の宿「すずめのかくれんぼ」さんへ。
こちらは元々、高野山大学へ通う学生の下宿だったそうですが、学生が減ったことからゲストハウスへ。
そんなところが高野山には何軒かあると、お土産を購入した松栄堂さんのお話しに。
宿入り後に設備の説明を受けながら、
「大門と根本大塔は夜間ライトアップさていますよ」と、スタッフさんに教えて頂き、夕食後に外へ。
真っ暗闇に浮かぶ朱塗りの大門と根本大塔。
高野山の夜は、やはり寒かったです。
翌八日目。
この日は高野山をぐるりと一周する女人道を歩く予定でした。
久々に目覚ましを掛けずに眠気のなすがままに起床して、ゆっくりと支度を整え、午前8時に宿を出発。
先ずは前日参拝出来ていなかった壇上伽藍へ。
他の方の投稿などで幾度となく目にしてきた三鈷の松。松の葉を持ち帰ろうかと思いましたが、それも執着かとやめておきました。
少し雲掛かっていたものの、どの御堂も冬空によく映えていました。
女人道への出入り口は幾つかある様ですが、奥之院近くの大峰口を目指してひたひた。
大門から壇上伽藍、金剛峯寺を通過して奥之院入り口の一の橋まで約4km。大峰口はそこから更に1kmほど先。
想像していたよりも遥かに広大な高野山の敷地を、前日にも増して感じていました。
大峰口から女人道へ。
割と平坦なのかと思いきや、しっかりと登り下りも有り、四国遍路の総仕上げの様な道。途中、山道を抜けて整備された砂利道へ出ると
『熊野小辺路→』
の立札が。
「熊野」の文字に、なるほどここから熊野本宮への熊野古道が続いているのだと知りました。
円通律寺、大門、弁天岳を経て不動坂口女人堂へ。開けた所では紀州和歌山の山並みと、遠くに何処かの街。
時間の都合で今回は不動坂口女人堂までしか歩けませんでしたが、続きは次回訪れた時に。
町中へ降りて再び弘法大師御廟へ参拝。
根本大塔と金堂の内拝をして宿へ。
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翌一月五日。午前7時に出発。
京大阪道で九度山まで降り、南海高野線で橋本へ。乗り換えて新大阪から東海道新幹線で帰京しました。
高野山での満願から約2ヶ月。
午前6時前に家を出ると空は既に明るく、高い雲と低い雲が朝焼けの濃淡を柔らかく包んでいました。
新幹線が停まる駅に着くと、ホームも待合室も旅に出るのか帰るのか、大小の荷物を抱えた人達の賑わい。
名古屋から岐阜にかけて、車窓に映る一面の雪景色をぼんやりと眺めながら、下車する地域は果たしてどうかと思いながら東京から2時間。
三年前、四国巡礼の旅の安全祈願として訪れた京都。
あれから三年も経ったという実感が無く、本当に四国を回って来たのかと、宿に着いてから納経帳を開き、記憶の中に各札所の姿や道中の景色がある事を思い返しました。
初日は三年前に回りきれなかった京都五山の残り、相国寺と天龍寺へ。
そして二日目。本日、二月二十三日。
満願御礼の三弘法参りへ。
前日に東寺に足を運び、予め三弘法参りの手拭いを購入しておきました。
東寺、仁和寺、神光院のどの御寺から始めても良いのですが、最後は東寺にしたいという思いから神光院、仁和寺、東寺の順で。
天候は晴れのち雨または雪。予想最高気温は7℃
昼頃から下り坂という予報でしたが、結局、東寺に着くまで雨や雪が降る事はなく、雲は出ていたものの概ね晴れといった天候でした。
三年前とほぼ同じルートを歩きながら、
ああ、こんなところあったなと意外に記憶に残っている街並みを眺めつつ、あの時はどんな心境で歩いていただろうかと思い返していました。
ほとんど休憩も取らずに御寺間を歩いたので、予想していたよりもかなり早く東寺に着いてしまいました。
見上げる南大門。その奥に金堂。門を潜って境内へ。
まずは入ってすぐ左手にある弘法大師像。続いて金堂、講堂、そして御影堂へ。
仏前勤行次第を開いて読経するのは、これからしばらく無いのかなと思いながら、最後の参拝を終え、食堂で三弘法参り最後の御朱印を手拭いに頂き、東寺を後にしました。
長々とこの場所をお借りしてしまい、申し訳ありませんでした。どうかご容赦下さい。
もう少し書きたい事もありますが、ズルズルと続けるのも如何なものかと思い、今回で四国遍路の旅日記は最後の投稿となります。
最後まで御覧頂き有難う御座いました。
合掌
コメント
今まで楽しく読ませていただきました。
色んな場面で共感することが多く、自分も一緒に歩いているような気持ちで読んでいました。
時には笑ったり、時には深く考えさせられたりしながら、更新されるのをいつも楽しみにしていました。
また、新しい発見もたくさんあり、とても参考になりました。
成満を迎えられたとのこと、本当におめでとうございます。
これまでの歩みや想いを丁寧に綴ってくださり、ありがとうございました。
また新たに巡られることがあれば、その時の心境や感じたこともぜひ聞かせてください。
本当にありがとうございました。
@あの時の亀
コメント有難う御座います。
毎回コメントを下さり、投稿を続ける励みになりました。本当に有難う御座いました。
表題を成満としましたが、何かをやり遂げたという思いが無く、四国を歩いていた時間が夢や幻だった様にも思える不思議な感覚です。
何かの願掛けや自分探しといった目的も無く、ただ呼ばれたという感覚に誘われて四国遍路の旅へ出ましたが、その当時悩んでいた事に対する思いや、物の見方捉え方などが少し変わった様に思います。
四国で出会った方々の言葉や行動にも沢山学ばせて頂きましたが、一番はあの雄大な自然だったと思います。
上手く言葉に出来ませんが、答えは全て自然の中にある、という感じでしょうか。
次回、いつ四国を歩くのか分かりませんが、とりあえず女人道の残りを歩いて、熊野小辺路から熊野本宮へ歩いてみようかと思っています。
最後まで御丁寧なコメントを下さり、本当に感謝しております。
有難う御座いました。