57番札所「栄福寺」白川密成さんの最新刊

先日図書館をうろついていたら、『マイ遍路』のタイトルが目に留まりました。
著者はあの栄福寺住職の白川密成さんではありませんか！
映画化もされた『僕は坊さん』の作者として遍路界？では有名な方ですよね。

この本は2019年4月から2020年12月にかけての歩き遍路体験記です。
しかし、さすが真言宗の僧侶だけに随所に空海の教え（漢文）とその訳文、作者の解釈が添えられているのがキモです。
不信心の私としては、抽象的で難しい部分もありますが、妙に腑に落ちる部分もあり勉強になりました。

また各札所の縁起に多く触れているのも、有難かった。知らなかった見どころも教えていただきました。
札所の歴史由来を知っているのと知らないのでは、札所に対する見方が全然変わってきますよね。

宿での過ごし方でも、さすが僧侶だけに朝と夜に、礼拝行（五体投地) 、三密修行（印を組み、真言を唱え、観想）を続けている。
暇さえあれば缶ビール片手にスマホをいじっていた私とは大違い。

いずれにしても、歩き遍路経験者なら馴染みの宿や道が登場するので、追体験しながら楽しく読めると思います。

この本で初めて知った渥美　清さん(俳号は風天)の俳句がお気に入りです。
　　　お遍路が　一列に行く　虹の中