
一本松から観自在寺へ
一本松の宿を出て、今日は国道56号を進む。
朝の道は静かで、歩き始めると体もすぐに温まってくる。しばらくすると四十番札所の観自在寺に到着した。
ここまで来ると、ようやく愛媛まで来たという実感が出てくる。
境内は落ち着いた雰囲気で、派手さはないが静かに参拝できるお寺だ。手を合わせ、いつものようにお参りを済ませる。
札所に来ると、歩いてきた時間が一度きれいに区切られる気がする。
ここで少し気持ちを整えて、また歩き出した。
柏坂遍路道か国道か
観自在寺を出てしばらく歩くと、柏坂遍路道への分岐が現れる。
遍路道らしい山道が続くルートらしく、正直少し興味はあった。
ただ今日は、そのまま国道を進むことにした。
きつい山道を避けたというより、今日は海を見ながら歩きたい気持ちのほうが強かった。それに、この先は宿が少なく、岩松地区まで行くには距離が長い。今日は津島までにしておくのがちょうどいい。
分岐に立ったとき、少しだけ気になった。
「遍路なら遍路道を歩け」と地元の人達に思われていないだろうか、と。
もちろん誰もそんなことは言っていないのに、勝手にそう考えてしまう。でも結局は、自分の歩き方でいいと納得して、そのまま国道へ進んだ。
分岐を過ぎてしばらくすると、歩行者専用のトンネルに入る。
中に入ると空気がひんやりしていて、外とはまるで別の場所のようだった。照明はついているものの、人の気配はなく、足音だけが静かに響く。歩いても歩いても景色は変わらず、思っていたよりずっと長い。
出口の明かりが見えたときは、少しほっとした。外に出ると、再び海の空気が流れてきた。
海沿いの道
しばらくすると、道は海沿いへ出る。
視界が一気に開け、高い場所から久しぶりに広い海が見えた。ここまで山道が多かったので、海を見ながら歩くのが新鮮だった。
須ノ川のキャンプ場の横を通ると、テントを張っている人がいた。
野宿遍路だろうか。宿を気にせず歩けるのは、少し自由そうにも見える。ただ、その分装備も増える。これ以上荷物が重くなるのは、やはり自分には厳しい気がした。
津島のあたりに近づくと、湾の中にたくさんのブイが浮かんでいるのが見える。
真珠の養殖らしい。静かな海に規則的に並ぶブイが、独特の景色をつくっていた。
夕方、津島の宿に到着。
今日は海を見ながら歩いた一日だった。
今日の学び
今日は、遍路道ではなく国道を選んだ。
少しだけ迷いもあったが、「今日は海を見たい」という自分の気持ちを優先した。
遍路にはいろいろな道がある。
山道もあれば国道もあり、人によっては野宿をする人もいる。
正解は一つではない。
大事なのは、自分が納得して歩ける道を選ぶことかも。


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