四国遍路の最後の難所、88番大窪寺に向かう「女体山」の話です。
87番長尾寺から先に進むと前山ダム付近でいくつかの分岐ルートに別れ、その一つがこの女体山ルート。
女体山ってネーミングがなかなか素敵♡なのですが、この山、侮ることなかれ。「これまでで一番つらかった」と語る人も少なくありません。
その甘い響きとは裏腹に、かなりの「本気モード」が待ち構えています。途中には手を使って登らなくてはならない険しい崖もあり、かなりスリリングな経験となります。でも、ここまで四国遍路を進んできたあなたなら大丈夫。自分を信じて一歩一歩進んでいきましょう。(危険な崖エリアは30〜40mくらいで、その他はこれまでにもいくつか通ってきたようなよくある山の”急坂”です)
お昼頃に長尾寺を出発すれば、納経時間までにはそんなに急がなくても十分間に合います。
前山ダムから分岐点から本格的な登山口までは舗装路で徐々に急坂になっていきます。山道からは、途中保全橋や仮設階段を登ったり降りたりして、のちに長い丸太階段が続きます。これも他の人からもよく聞く事なんですが、途中で進む道がわからなくなるポイントがあります。そこには道標は無いのでですが、なんとなく「たぶんこっちだろうな」っていう正解の道がわかりますが油断禁物です。
女体山の頂上手前には絶景ポイントが広がっており、晴れていれば最高の景色が迎えてくれます。ここで一息つき、これまで歩いてきた道や出会った人々を思い返すのもいい時間です。
過去2回、自分もこちらを通りましたが幸いどちらも天気が良く、心が洗われるような素敵な景色を目にすることができました。
女体山の頂上から更に進むと、ふと遠くからゴーンと鐘の音が聞こえてきます。この音は、大窪寺に近づいてくる証拠。疲れた足も嬉しくなってもうひと頑張りできます。
険しい山道の先に待っているのは、旅を締めくくるのにふさわしい絶景と、大窪寺の静かな鐘の音。
もちろん車道コースも悪くないですが、そういう最後の思い出に浸れる雰囲気になりにくいっていうか、遍路旅の最後の旅の締めくくりなら女体山もいいんじゃないかなって思ってます。
ではでは。
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