
陽明山には石仏が点在している
私が過去にここに投稿した記事を読んでくれた人は知っていると思いますが、台湾には写し四国霊場がありました。
日本統治時代の台湾では、日本から多くの宗教家が渡航し、仏教各宗派、あるいは神道を布教してきました。
台湾には四国八十八ヶ所霊場や西国三十三観音霊場の写し霊場がいくつかありましたが、最初にできた霊場が1925年にできた台北新四国八十八ヶ所霊場です。
日本の四国遍路と同じように多くの人がお遍路しており、お接待もありました。札所とされたのは日本の四国霊場の各ご本尊を彫った石仏です。
この石仏を88ヶ所に設置していましたが、終戦後、日本人が引き揚げると散逸してしまいました。しかし半数近くの石仏は現存が確認されており、その一部は一般人も参拝することが可能です。
概要については以下を参照してください。
台北新四国八十八ヶ所霊場1番札所台北天后宮の弘法大師像と石仏
陽明山は台北市街地北部にある山岳地帯
石仏が残る台北天后宮、臨済護国禅寺、正願禅寺などは比較的行きやすい場所にあるものの、個人所有が多い陽明山はなかなか行きにくい場所です。
陽明山とは日本統治時代は草山(そうざん)と呼ばれていました。良く勘違いされますが、陽明山という山はなく、周辺一帯の幾つもの山々の総称として陽明山と呼ばれます。言ってみれば地域名です。今回この陽明山を探索してきました。
下記ページが第1弾で、最下部の(続き)をクリックすると第6弾まであります。
【台北新四国八十八ヶ所霊場石仏探索】劍潭駅からバスで51番石仏へ
初めて行く人にもわかりやすく
単に石仏だけの情報を記載しているわけではなく、旅行記でもあり、ガイドブックでもあります。
これは日本ではない場所でもあり、台湾に関する知識もなく、台湾に行ったことがない人でも参考になるような細かい情報を記載しておきたかったからです。
この台北新四国八十八ヶ所霊場の情報を知って、実際に参拝に行って私に報告してくれた人が少なくても数人はいます。
ぜひ行ってみたいけど、台湾に行ったことないから不安という人も多いでしょう。そんな人の参考になればと思ったのです。
陽明山まで探索し、こうして日本から情報発信している日本人は多分私だけです。
写し四国など興味ない人もいるかもしれませんが、日本にも多くの写し四国があります。しかし台湾にもあったという事実を知らない人も多いです。
今年(2025年)は台北新四国八十八ヶ所霊場創設100周年となります。これを機に一人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しい限りです。
異国にある写し四国霊場
日本には私調べで少なくても130ヶ所以上の写し四国霊場があります。中には廃れているものもある一方、活発に活動している霊場や、近年になって観光客誘致や地域活性化のために新たに創設されたり、再興されたりする霊場もあります。
台湾でも100周年を機に一部の有志が再興、あるいは認知度向上のために動いているようです。
でもそれを造った日本人が、そんなことを知らないという現状は寂しい限りなのです。
機会があればこれを読んでくれているあなたにもぜひ行ってほしいですが、少なくても「台湾にも写し四国霊場があった」という事実をぜひ知っておいてもらいたく、この記事をここに投稿します。
コメント
令和5年11月に平等寺から薬王寺で台湾新北市の陳さん廖さんご夫婦と出会い台北88ヶ所の事を話し合い
機会あれば訪れたいと思っていました。以前に芝山巖の六氏先生の墓参に行った時に陽明山にも寄りましたが、当時は88ヶ所の事を知らず今回NOBUさんの記事にふれ思いはつのりました。
雅と京ちゃん様。再びコメントありがとうございます。
台湾のご夫婦に会ったことも、きっとご縁だと思いますよ。いつか行ける機会があったらぜひ訪れてみてください。