
2度目の雪蹊寺
朝、高知駅前のビジネスホテルからタクシーで雪蹊寺へ戻った。昨日の続きから旅を繋ぐための戻りだが、車だとあまりにも早く着きすぎて、身体が旅モードに切り替わるまで少し時間がかかった。
せっかくなので境内に入り軽く参拝。なにか昨日とは違う雰囲気を感じた。境内を出ると、川沿いの平坦で歩きやすい道が続き、空気もどこかゆったりしている。今日は距離が短いと分かっているからか、一歩一歩に焦りがない。久しぶりに「急かされない歩き方」をしている気がした。
種間寺へ
雪蹊寺から種間寺へ向かう道は、川沿いの道路から、やがて田んぼが広がるのどかな景色に変わっていく。
車通りは少なく、遠くで鳥の鳴き声がするだけ。歩き遍路の田舎道らしい穏やかな時間が流れる。
種間寺に着くと、境内には柔らかな木陰が広がり、他のお遍路さんもまばら。ゆっくり手を合わせ、風に揺れる木々の音をしばらく聞いていた。歩く距離が短い分、自然と足が止まる時間が増える。そんな自分の変化が少し嬉しかった。
久々のマクドナルド
種間寺をゆっくり参拝したあと、次の清瀧寺へ。
大きな仁淀川をわたると、住宅やビルが建ち並ぶ町が見えてきた。車の通りも多い。その先、複合施設の向こうに黄色い“M”のマークが見えた瞬間、脳のどこかが反射的に反応した。「マクド…久しぶりやな」と思うより先に、もう店に入っていた。
ポテトの匂い、塩気の効いた味、炭酸の刺激。旅中の身体にあの「いつもの味」が沁みた。特別な料理じゃなくても、急に食べたくなる日があるものだ。
1時間ほど腹ごしらえを終えて清瀧寺へ向かうが、その手前で急に道が斜面へと変わる。
清瀧寺へ続く坂は、遍路ころがしとは言わないまでも、下から見上げると結構な角度がある。舗装されている分登りやすいが、じわじわ足にくる。曲がり角ごとに見える景色が変わり、住宅街が少しずつ小さくなっていくのが面白い。さっきいたマクドも見える。
ようやく到着した清瀧寺は、思った以上に静かで落ち着いていた。境内から見下ろす景色は遠くまで見通せて、風も通り抜ける。青龍寺へ向かう道の分岐が頭をよぎったが、今日は無理をせず、土佐市街の宿へ向かうことにした。
今日の学び
今日は距離こそ短かったけれど、そのぶん一つ一つのお寺を丁寧に見て回れた。
今までの自分は「歩く距離」「到着時刻」ばかりを気にして、つい急ぎがちだったのかもしれない。正直なところ、仏像の顔までちゃんと見ていなかったのも事実。
ゆっくり境内の空気を味わったり、鐘の音を聞いたり、風の流れを感じたり。あと、参拝している他の人の動きもベンチ越しに見たりした。そんな時間が、思っていた以上に心を落ち着かせてくれた。
これからはただ歩くだけの旅じゃなく、その場所にいる時間をもっと大切にしよう、そう思えた一日だった。


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