遍路ころがし

遍路ころがし

2月17日 焼山寺みち

 前日16日に、55回目の誕生日を迎え、その祝いに遍路ころがしを歩くことを決めていた。

 前日に旅館吉野に泊まり、17日午前7時に、吉野を出発した。

 吉野で小さめのリュックを借りる事ができ、頭陀袋と食料、GoProを入れた。
 持参した大きめのリュックは次の宿のすだち庵の方が運んでくれる事になっている。とても有難い。

藤井寺で道中の無事を祈る。

 いつもより多めの賽銭を入れ、いよいよ焼山寺みちに入る。

 入るとすぐに「トイレを済ませて」と「目安となる時間」が書いてある。

 初めてで、体力には自信がないメタボには8時間で着くのか?と思ったが、進むしかない。

 入ってまもなく、「マムシちゅうい」の看板。根っからの蛇嫌いの自分には、この時期にいないのはわかっているが、見たくない看板だった。

 その看板からすぐに「へんろころがし1/6」の看板を目にする。
 もうすでに息が荒い。「大丈夫か俺?」と。

 へんろころがしに入って5分ほどで、汗だくになり、重ね着していた二枚を脱ぎ、シャツと白衣だけになった。
 しかし「へんろころがし」では、汗は止まらない。

 長戸庵に着くと、後から二人の遍路さんが来て、読経している間に追い越された。
 追い越して行った二人はこの後、何度が休憩所で会い、宿も同じだった。

 「へんろころがし1/6」を過ぎてからも、緩やかな登りが続くが、とても気持ちいい。
 が、ここでアクシデント!
 汗をかき、薄着だったせいで、腹が刺しこむ。ヤバい!
 地図を見ると柳水庵までトイレがない!
 まだ我慢は出来る。とりあえず先に進む。

 柳水庵1.8キロの看板。トイレ!!!

 ようやく柳水庵に着くと、追い越された遍路さんがら二人休憩していた。
 挨拶もそこそこに、トイレに駆け込む。

 「間に合って良かった」と安堵感とともにどっと疲労感が襲う。
 時間は10時半だったかな?トイレで出した後は、おにぎりを一つ食べ、読経し終えて歩き出した。

 何処だったか,覚えてないがへんろころがしを単に走っている人がいた。往路で追い越され、数時間後に復路ですれ違った。走る強者がいるとは思わなかった。

 柳水庵遍路小屋を覗いたが、誰もいなかった。何もせずにそのまま通過。

 「へんろころがし4/6」を終わる頃、急に開けた感じになり、目の前に石段が現れ、上を見るとお大師様がで迎えてくれる。

「へんろころがし5/6、6/6」

 お大師様がで迎えてくれたところが「浄蓮庵」
 ここでも読経し、先に進む。

 ここから「へんろころがし5/6」下り坂。一気に下る。滑ったら本当に転がるだろうなと。

 慎重に下ると、集落に出る。アスファルトの道端で昼飯を食べながら、見渡すとタクシー会社の看板がある。ちょっと誘惑されている感じにも思えた。

 ゆっくりと昼飯を食べている時間もない。先を急がないと。

 集落から少し離れた橋を渡ると、「へんろころがし6/6」が始まる。

 地図には一番険しいとも書かれている。
 木々が生い茂り、足元が暗い。この時期、太陽の傾きも早く、西陽で前が見えにくい。

 最後に来て、「いつまで上り続けるんだろう?」と、体力,気力ともに失われていくが、休んでいる場合ではない。いつまで続くかわからない、暗くなってしまったら危険と自分に喝を入れ歩き続ける。

 どのくらいの時間が過ぎたのかわからないが、目の前が開けて「焼山寺1.0キロ」の看板みて、ホッとした。近くのベンチに座り、板チョコを半分ほど食べ、歩き出す。

 車遍路では、「どこから歩きで入るのだろうか?」とわからなかったが、「なるほどここに出るんだ」と思いながら、無事に着いた事に感謝。

 14時半になっていた。7時間半かかり、焼山寺みちの入り口の札にあった、弱足だなと納得。

 7時間半の道のり、追い抜かれたり、すれ違ったりと4,5人に会ったが、ほぼ独りだった。

 何度もあった苦しい道のりで、ふと感じたこと。
 自分は今が苦しい。でも前に進めば、苦しさから必ず解放される。
 自分が生きてきた55年の間に、自分と接した何千,何万人とうい人たちの中に、自分が傷つけてしまった人が何人も居たはず、その人たちの傷の苦しみは一生消えない。

 何かの時に思い出しては、苦しい思いをさせてしまっているんではないか?と気づいた。

 自分の苦しさは「いっとき」、相手の苦しさは「一生」。

 懺悔していかなければならない。

 また、焼山寺みちは歩いてみようと思う。

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コメント

  1. 無事に歩き終えて何よりでした。
    おつかれさまでした!

  2. @ひろ(歩き) さん

    ありがとうございます。

  3. 大変でしたがその間にも色々思いながら歩くことができたみたいですね。お疲れ様でした。

  4. @あの時の亀 さん

    コメントありがとうございます。

    焼山寺みちは、自分を見つめ直す良い機会をいただきました。

    自分を失いかけた時は、また歩こうと思います。

  5. まだ一箇所も回っていない者がいうのもあれですが…お疲れ様でした!
    焼山寺の道、とっても大変そうですが得るものもたくさんあるのですね…。
    ご無事で何よりです。あと、お誕生日おめでとうございます!

  6. @よんよ さん

    コメントありがとうございます。

    自分も初めての遍路ころがし。
    辛い、苦しい
    その中で、素直に自分を見つめ直すには、十分な時間でした。

    焼山寺みちには、お大師様の教えが宿っているようにも感じました。

    独りで歩いていても、ふとそばに誰かがいると何度も感じました。

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