素泊まり

今回は「素泊まり」について。
朝夕の食事なしで宿泊できる「素泊まり」。
安い料金で宿泊でき、長期にわたる旅のお財布に優しいので選ばれている方も多いと思います。

・・・ですが、実際のところ本当にお得なのでしょうか。

まず朝食を例にとってみましょう。
素泊まりの方の多くの場合、近くのコンビニで簡単な朝食を調達することになります。例えば、パン2個と飲み物を購入すると、400〜500円程度はかかるでしょう。そして、その食事をどこで食べるかといえば、その店先や少し離れた休憩所などになります。

宿の近くにあれば良いのですが、そのままお昼近くまでお店が無いところもあるでしょう。コンビニは24時間営業ですがスーパーは9〜10時にならないと開店しませんしね。

夕食についても、外食やテイクアウトになりますが、こちらも今では1,000円以上かかるところがほとんど。好きなものを食べれるメリットはありますが、都合よく安い牛丼チェーン店が出現する確率は低く、意外と好きなものなんて選べられないものです。
せっかくの遍路旅なので精進料理とまでは言いませんが、四国に来たなら地元の食材を使った手料理を楽しむ機会を逃すのはちょっともったいないのかも。

でね、そうなるとやっぱり思うんです。
節約になってそうで実はそんなに変わってないような・・・。
それを選ぶ時間や食べる時間、そして食べる場所も含めてやっぱり宿食の方がトータルで快適なのでは・・・と。
それと、泊まったその宿で得られる遍路情報も聞き逃しちゃってる。チェックインしてそのまま翌朝まで部屋で過ごすのも疲れてるときはいいのですが、食事中の会話が遠くから聞こえてくるとやっぱりさみしい感じもします。

物理的な食事料金はもちろん、値段を付けられないこの先の有益な遍路情報は宿でみんなと食事した人のみが得られる特権。もちろん、そのお宿さんが持つ鮮度ある情報、その時泊まった同宿の方の経験度あっての話ですが。

とはいえ旅のスタイルは人それぞれで価値観もまた人それぞれ。
金銭的な問題で素泊まりを選ぶのだって全然”アリ”です。ただ、より充実した旅を考えているなら、「素泊まり」はそれに反比例するかも知れない。そういう意味では素泊まりは実は上級者向けなのかも。
もちろん素泊まり宿でも色んな遍路情報を丁寧に教えてくれるお宿さんはたくさんあることも補足しておきます。

今日感じたこと、発見したことを人に話して共有するのってお互いに有益。あなたの旅の話は、お宿さんにとっても知りたい情報。
お宿さんもそうやってどんどん遍路宿として成長していくんだと思います。

また、素泊まりを金銭的な理由で利用している人が大半だと思いますが、それ以外にもあると思います。提供される時間帯、質や量と料金が釣り合っていない、人から質問攻めに遭いたくない、などなど。あるいは「私は少食(または好き嫌いが多く)なので残すのも失礼なので・・・」とかね。
本当は素泊まりではなく食事付きで泊まりたいんだけど、仕方なくそうしてる人もいることでしょう。

こういった思想バランスは人それぞれなので、宿側としてはかなり難しい問題です。なので客側が先読みして素泊まりを選ぶ。こんな構図もあると思います。

ここ最近の物価高騰で、素泊まりでも昔の2食付と変わらないくらいずいぶん宿代が高くなりました。遍路客にしてみれば安いに越したことはないが、せっかくならケチケチせず充実したい。素泊まりは便利な面・不便な面が極端で、最終的にどっちが良かったのかはその旅が終わってみないとわからないかもしれません。

でもそれでいいと思います。
もしチャンスがあるなら次回は違う方法を選ぶのもいいし、その選択を通じて新しい発見があるかもしれません。
逆にまた素泊まりを選んで、さらに自由で冒険心あふれる旅を楽しむことができるのかもしれません。

素泊まりか、食事付きかーーーー
どちらを選ぶかに関わらず、その旅があなたにとってかけがえのないものになることを願っています!

今回も最後までありがとうございました。
(野宿派の私がここまで力弁するのも何なんだって話ですが・・・)

ではでは。

★ これまでに書いたコヘンロ記事もどうぞ↓

Survey Form Button with White Text これまでのコヘンロ記事一覧
報告する

こんな記事も読まれてます

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。