四国遍路の中でも特に厳しいと言われる「焼山寺みち」。
11番藤井寺から12番焼山寺に向けて6つの”へんろころがし”がある険しい道です。おそらく多くの人が3日目にチャレンジすることとなるこの焼山寺みちは、その過酷さにリタイヤしてしまう人もいるほど。
しかし、この道がただ厳しいだけではないことは歩いた人なら誰もが知る事実。
息をのむような自然の美しさに囲まれ、時には自分の限界を試されながらも、一歩一歩踏みしめる土の感触が遍路としての1回目の成長を実感させてくれます。そして、ひとたびその厳しい道を乗り越えたときに感じる達成感は言葉にならない喜びへと変わります。
そんな焼山寺道を実際に歩いた遍路たちの声として、会員メルマガ内で”焼山寺みち”についてのアンケートを読者の皆さんに行いました。実際に歩いた人の意見はどれも貴重で、きっとこれから挑む方々の道標となることでしょう。
そしてその質問はこの3つ。
<質問>
【Q1】焼山寺みち、どうでした?
【Q2】歩いてみた感想
【Q3】これからの方にアドバイス
それでは、遍路たちのリアルな声、その質問と共にご紹介していきましょう。
【Q1】焼山寺みち、どうでした?
まずは、その体験がどうだったのかをわかりやすく以下の5つの選択肢から一つを選んでもらいました。もちろん年齢や季節、天候コンディションによって感じ方はそれぞれですが、ざっくり「焼山寺みちはこういうもの」とイメージできるのではないでしょうか。
<選択肢>
・リタイヤした
・かなりきつかった
・それなりにきつかった
・思っていたほどでもなかった
・楽勝だった
考察:
今回のアンケートでは【1.リタイヤしたした人】、逆に【5.楽勝だった】と回答した人はなく、きつかった、そうでもなかったなど色々あれど、無事に焼山寺に到着された人たちのようです。
ネットや雑誌のクチコミにある前評判「焼山寺はきついぞ」の刷り込みが強かった人たちにとっては、意外とそうでもなかったと思う人もいらっしゃるようですが、総合的な答えとしては、やはり【きつい】が多くの方の意見でした。
【Q2】歩いてみた感想
それでは次に、焼山寺みちを歩いた皆さんの感想です。Q1をより紐解いた詳しい内容の回答が集まりましたので、よりリアルな焼山寺みちが想像できると思います。それではどうぞ!
通常のハイキングコースより、綺麗に整備されていて、歩き易いみちでした。
きつい。
さびしい。
谷底に落ちたら助けが呼べなさそう。
ただし、到着したときの達成感はすばらしい!
ビクビクしながら登りました。
ゆっくり一定のリズムで登ると疲れないです。
もう少しキツイかと思いましたが、あっけない感じでした。
藤井寺の納経の方から11:00過ぎからの登りは辞めたほうが良いとアドバイスいただきましたが、11:45くらいに出発し、長戸庵での弁当休憩をはさんで16:00に勝山寺、17:30には泊まりのすだち庵に着きました。
何も調べず、ハイキング感覚で行ったのが間違いだった。靴やウェア、ザックなど装備を見直したり、ある程度、情報を集めておく必要性を感じた。
私が登った日は途中から豪雨になってしまい、
マジに苦行になりました。
せっかく登ったのに下って、また登る、
の繰り返しがきつかったです。
登山経験者であれば大丈夫。
上り下りがあるが、楽しく歩けた。6/6の遍路転がしが、一番大変。一本杉は、感動もので人も経験してほしい。
普段歩いていない人にはかなり厳しい道だと思う。
登山と異なりアップダウンが大きく、いつになったら終わるのか、との不安が。それゆえ達成感は大きいと思います。
今回は喜寿遍路でしたが、前日の雨で遍路道がぬかるんでいたせいか、7回ほど転倒しましたが、けがもなく、歩き続けることが出来ました。
一度歩けば次からは先が分かりますから、少し楽になります。藤井寺から次の宿まで丸1日かけますから、その晩は休めます。むしろ途中にある数時間の山道(七尾峠等)の方が辛く感じました。
八十八ヶ所の中で一番の遍路ころがしということもあり、気合いを入れて挑んだため思ったよりきつくなかったです。
歩いたのが冬だったので水分が少なめで良かったですが、夏なら最低2㍑は必要かと思います。でも、重くなるので悩みどころ。
思っていたより早く歩けました。
気候も良くて暑くなかったのがよかった。
60代女です。初めてだったし不安だったのでガイドをつけました。一人ではとても歩けなかったと思います。途中迷いそうな所もありました。道もキツいし一人では心が折れていたのではないかと思います。初めてで一人で行く人は凄いと思う。遍路ころがしだけあって下りも延々続く~。
へんろ転がしはゆっくりといっぽいっぽ、下り坂は足元を確かめながら慎重に下りました。長戸庵、柳水庵、一本杉庵と要所で休憩を取り、毎回リセットして歩き、焼山寺に到着した時は感激でいっぱいでした(5回)。
柳水庵のとこの小屋で昼寝しすぎなければ4時間きれてましたね。1月で、途中のわき水は無く、柳水庵の水は、なんか渋みがあって飲みませんでした。水分多めに持つほうがよいですね。
下りの後の登りに心が折れました。
だけど焼山寺に着いた時は心が強くなりました。
考察:
“歩きやすい”と感じる人もいれば、”きつい”、”さびしい”との声もあり、その体験は一様ではないことが明らかです。しかし共通しているのは、道の厳しさを乗り越えた際の「達成感」であり、この感覚は多くの回答者にとって、この道を特別な思い出となっているようです。また、「登山経験者であれば大丈夫」との意見や、「ガイドをつけた方が良い」、「水分多めに」などといった助言もあり、準備の重要性が強調されています。
・次ページにつづく↓『【Q3】これからの方にアドバイス』
コメント