長距離を歩く遍路において靴選びが一番大事だと思っています。
足が痛くなったり、マメができたり、疲れがとれなかったたりと、それが気になって全然楽しめなくなったりするって実にもったいない。
普段スポーツをやっている人ですら、遍路であっさりマメが出来たりするものです。
足の鍛錬とは別に、靴の選び方で改善するならありがたい。
全員に当てはまるものではないかもしれませんが、経験談として読んでもらえたら幸いです。
靴の大きさ
「足に合わない靴=きつい靴」だと思いがちですが、実はそうでもないです。
多くの人が、自分の足を幅広甲高と思い込んで本来の足より大きなサイズの靴を選びがちです。
大きい靴だと歩くたびに靴の中で足が動いてしまうので、無意識に足指が踏ん張る動きをします。
普通なら擦れたり当たったりしない部分が長時間続いてしまい、これが原因で皮がめくれたりマメができたりします。
さらに余計な力を使ってしまうので歩き方がおかしくなり疲れも出ます。
靴は履いたときにちょっときついかなと感じるくらいが理想的。
足を左右からしっかり支えるので、足裏の健康的なアーチが保て自然と正しい歩き方になります。
フィットと言っても指先チョンチョンはNG。つま先だけは1cmくらいの余裕がちょうどいいです。
足先ではなく、足全体の筋肉を使うようになるので代謝も良くなり疲れにくくなります。
自然と姿勢がよくなるのでバランス良く歩けます。
とはいえ・・・。
まったくの逆説になるのですが、毎日歩いていると足がむくみます。
めちゃめちゃむくみます。1週間も続けて歩けばパンパンになってなかなか収まりません。
せっかくフィットしていた靴を買ったのに、いつのまにか合わなくなっている靴になってしまっています。
もちろん別の靴を持ち歩くことは非現実なので、1サイズ、0.5〜1cmアップくらい大きめを選ぶのがいいと思います。
はじめの数日間はその分厚めの靴下で、むくみ始めたら薄い靴下に変えるのも方法の一つですし、靴紐を1番目の穴から順番にむくんだ足に合わせて調整し直すのも効果的です。別のインソール(中敷き)で厚さを変えるのもいいでしょう。
靴のタイプ
以前の投稿でも書きましたが、ランニング用とウォーキング用の靴は違います。
ランニング用は軽量で衝撃吸収力もある一方、柔らかいことが原因で着地時や蹴り出し時にブレが出ます。
足にとって衝撃負担は少ないのですが、そのブレを補正するバランス行動が無駄に働いていて知らずしらずの間に疲れが溜まっていきます。
またランニング用は足裏全体にクッションが効いていますが、ウォーキング用のほとんどが踵部分だけでその他の部分はそれほどクッション性をもたせていません。これによりふらつかずに安定して歩ける特性があります。特に柔らかすぎる靴は蹴り出しの力も吸収してしまうので余分に力を消費し疲れます。
これは、歩く際のクッションは踵だけで十分ということで、一見、全体にあった方が良いような気もしますが実は逆効果です。
また、ランニング用はアッパーの生地も薄く柔らかいので曲げやすい反面、ブレを抑えられないともいえます。ガレた山道ではモロにそのブレを実感できます。
今度靴屋さんで見比べて下さい。ウォーキング用は生地が硬めで重いです。
これは決して安価な材質を使っていてランニング用より劣っているのではなく、足を固定させるためにわざと硬いのです。また、ランニングのように足の力ではなく、振り子の原理を利用するので力を使わずに楽に歩くことが出来るようにわざと適度な重さにしています。
ソールが柔らかいから疲れないでしょ、、、というのは当たっているようで当たってないのでした。
また、軽いから疲れないでしょ、、、も同じ。
あと、ランニング用は擦り減るのがめっちゃ早いです。
さらに言いたいこと。
ウォーキング用のアッパー生地は耐久性があって、しかも少々の雨ならなんとか凌げます。これ結構遍路では大事です。雨もそうですが、晴れた日でも山道は朝露で雑草が濡れていつのまにかびしょびしょになって靴下まで湿ってくることがよくあります。これらを防げるのもウォーキング用のいいところなんですよね。
コメント
靴を選ぶのは本当に難しいとお遍路に行って散々思い知らされました。
自分は靴を5回変え、インソールも3回変え、靴下は4回変えてやっと自分に合ったものを見つけて、
マメもできず、ツメもはがれず、筋肉痛もなく歩けるようになりました。
素晴らしい!きっと最高の靴を見つけられた人って全体でいうとごく僅かだと思います。通しで回られる方はワンチャンスですから余計難しいですよね。