#21 野宿

#21 野宿

2日目。
この日は佐喜浜という所まで進み野宿という行程でした。

当初、区切り打ち1回目の経験から現地入り後に宿を探そうと考えていましたが、1日の歩くペースが掴めた事も有り2、3日位は先に宿を取っておこうかと、四国入り2週間ほど前に宿の確保に動き出しました。
しかしこの考えが甘かったと、すぐに分かりました。

夏のお盆期間中は休業する宿がある事、場所によってはサーファーや観光客の方などが集中する事、そして中心地に比べ宿の数が限られている場所も有り、地図に載っていても廃業されているところもある事に気が付きましたが、時すでに遅し。
全行程6日5泊の内、宿を取れたのは初日のみで以降は野宿覚悟で現地入りしたのでした。

この日もよく晴れて暑く海沿いの為か湿度もやや高めでしたが、1日目で多少慣れたのか体力の消耗はそれ程無く、歩く事の辛さはありませんでした。

左手には太平洋が蒼々と続き、浜辺や波間には海水浴客やサーファーの姿。
徳島とはまた違う景色に感動しながら歩いたのを覚えています。

途中、生見辺りの道沿いの東屋で携行食と休憩をとり、東屋の柱と歩道の柵に紐を括り付けて白衣や手拭いを吊るして乾かしながら、暫く横になりました。

横になっていると突然の便意をもよおしましたが周辺にトイレは無く、地図を見ても近くて1キロほど先。
"こりゃ間に合わん"と焦るところですが大丈夫。こんな事も有ろうかと、「災害用携帯トイレ」なるものを持参していました。
歩道からすぐ下の浜辺へ降りて草陰にトイレをセット。勿論、用後は袋に入れて回収しました。

その後もペースを変えずに進み、17時半頃に佐喜浜到着。何処かマットを敷けそうな所はと町中を探しますが中々適当な場所が見つからず、ひとまずバス停のベンチに腰を下ろしました。

次第に陽が落ち辺りは暗闇に包まれましたが、街灯のお陰で一安心出来そうでした。
汐風と汗にまみれた体をウェットティッシュで拭きベンチに横になりましたが、眠れるはずもありません。

どうしたものかと辺りを見回すと少し先に「モンマート」というコンビニがありました。
近づいて行くと店先に木製のベンチが一脚。
バス停のベンチよりも長く、足を伸ばせそうだったのでこちらへ移動し、閉店後にお借りして3時間ほど体を横にする事が出来ました。有難い事でした。

横になれたと言っても眠る事は出来ませんでしたが幾分か体力を回復する事が出来、22時頃身支度を整えて出発。

何故、夜歩く事になったのか。
一つは野宿するなら夜間に歩いてみようかと考えていたのと、もう一つは御厨人窟で日の出を見てみたいという思いからでした。

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コメント

  1. 私もこの区間の宿予約に苦労しました。それにトイレも少ないですね。でも遍路をしているなって気持ちは大きかったのを覚えてます。

  2. たまに横切るバスに何度乗ろうかと考えたことか。バス停の時刻表をチェックするくらい葛藤がありましたが、たまたま時間が合わず、最後までバスに乗ること無く室戸岬まで歩き抜いたことは良い思い出です。

  3. @あの時の亀
    コメント有難う御座います。

    行けども行けども室戸岬の先端が見えず、永遠に続くかの様な道でしたね。
    山中を歩くのとはまた違う遍路の道なのだと私も感じました。

  4. @naru
    コメント有難う御座います。

    バスへのお気持ち分かります。
    それでも歩き抜かれたのは、強い意志が有っての事だと思います。

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