36番青龍寺から37番岩本寺へは3つのルートがあります。
・いったん宇佐へ戻り、県道23号を進む道
・同様に宇佐に戻り、埋立から横浪まで巡航船に乗る道(道?)
・そして横浪スカイライン
今回は3つ目の横浪スカイライン(横浪黒潮ライン)の道について。
入り組んだ海岸線の横浪半島を縦断します。歩きながら眺める海岸線と海の景色が本当にすばらしい。ほとんど無人地帯で考え事をするにはもってこいであること。6〜7年前まで「国民宿舎土佐」という人気の宿があって、歩き遍路さんにはありがたい2,500円のドミトリーでした。ここに泊まりたいがためにこのルートを選ぶ人も多かったのですが、この宿がなくなった今、横浪スカイラインを歩く人も減ってしまったように思います。
地図で見るとアップダウンが多く大変そうですが、歩いてみると意外と気になりません。車が安全に走れる道なので傾斜も車道設計、遍路ころがし的な急登は一切ないです。唯一、青龍寺から横波スカイラインにショートカットする遍路道だけは大変です。所要時間や距離は国道23号(浦ノ内北湾ルート)よりちょっと短いです。30分くらいの差でしょうか。前回通った時、この道の中盤くらいにあった無人販売所でヒノキの箸(100円)を買いました。飾りのないシンプルな箸ですがなかなか使い勝手良くて今も使ってます。
ここは漫画「シャコタン・ブギ」の舞台にもなった場所(作者の楠みちはる先生の出身地だそうです)。作中は主人公がいつもぶっ飛ばしてる聖地でもありますが、今はそんな走り屋の車どころか観光でドライブしている方がたまーに通るくらいでとても安全です。直線道は目をつぶって「どこまでまっすぐ歩けるかチャレンジ」もできそうですが(本当はした)どうか自己責任で。そのくらい優雅(笑)に歩けますし、歌も大声で歌えます。
また、高校野球でも有名な明徳義塾高校がここにあります。横綱朝青龍もこの高校の出身で、36番青龍寺までこの道も通っていたことでしょう。ちなみに朝青龍の”青龍”はいつもトレーニングしていたこの青龍寺が由来。ほかには幕末の志士、土佐の盟主だった武市半平太の大きな銅像などもあり、景色以外でも見どころもあります。
リアス式海岸を形作る半島の尾根伝いを歩く道は自然豊かでなにせ展望が最高。太平洋と内湾の両方の景色を楽しむことができます。たまに車が通るくらいの閑散としたスカイラインで、ほかのお遍路さんどころかほぼ人に合わないこの道ですが、車を気にせずひとりで考え事をするには丁度いい道だと思います。
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