電話の後、霊山寺と極楽寺への参拝を済ませて再び霊山寺方向へ戻り「お遍路ハウス一番門前通り」さんへ。
呼び鈴を鳴らすと宿主様がお迎え下さり、濡れたポンチョや菅笠を軒下に吊らせて頂き宿の中へ御案内頂きました。
一軒家を利用したゲストハウスで、ニ階角の部屋を使わせて頂ける事に。
本来はネットからの予約のみ。電話では受け付けていないそうで、知らずに掛けてしまった事を深謝すると「直接電話が来たら断れないからね。」と仰って下さいました。
荷物を下ろして一階へ降りると、「どうぞ」とキッチンテーブルの椅子を勧めて頂き宿帳の記入を済ませました。
そして向かいに座る宿主様から、こういう者ですと、差し出されたのは納め札でした。
宿主の高原道隆さんは巡礼140回以上の霊場会公認先達であり、得度されている方だと知りました。
「わからない事があれば、何でも聞いてください。」とのお言葉に、
「初めてで、分からないことだらけです。」と、あれやこれやと山のように質問させて頂きました。
一通りの質疑応答を終え夕食を買いに外へ出ると、雨上がりの空に綺麗な虹が架かっていました。
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霊山寺で御朱印を頂いた際に御影を頂くのを忘れていた事に気付き、買い物のついでに納経所へ寄りました。丁度閉まるタイミングだったようで運良く間に合い、頂く事が出来ました。
自分で頂くスタイルの納経所では、ついつい忘れがちですね。
買い物を終えて宿に戻ると、お二人連れのバイクのお遍路さんが到着されていました。
こちらの方々も初めてのお遍路との事で、参拝の道具など何も無いですと仰ると、高原さんが車で近くの商店へお連れして蝋燭や線香など必要な物を御教示くださったようでした。
夕食はキッチンのテーブルを囲んでお遍路初心者三人で。
後から高原さんのお知り合いの大道芸人さんがいらっしゃり、テーブルの話しに参加されました。
その後、高原さんが師と仰ぐ霊山寺の尼僧の方がお見えになり暫しの談笑。
尼僧の方に
「何でryouchokuさんは坊主頭なの?」
と尋ねられ、髪型を気にするのが煩わしいからですとお答えしました。
それに加え、一族郎党ツルピカ揃いの家系なので高2の夏、早々に頭髪とオサラバしました。
この時の談話の中で高原さんが仰っていた、
"お遍路は呼ばれないと来ない"
という言葉。
私があの時感じたものは、やはりそういう事だったのかと得心しました。
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部屋へと戻り、翌日の準備を済ませて横になりました。
初日から驚きと有り難さの連打に打ちひしがれ、いつの間にか眠りに落ちていました。
コメント
お遍路は呼ばれないと来ないと言う言葉は、何かわかる気がします。
写真がドラマチックですね
丁寧に教えてくださる宿だとよく耳にします。ほとんどの人が初日の宿だ思うのでなおさら心強いですね。
@ひろ(歩き)
道中で出会うお遍路さんとお話ししていると、やはり”呼ばれた”というものに似た経験をされている方が多いように感じますね。
@naru
初日にして、いきなりとんでもない方に出会ったものだと驚きました。
お遍路の事について本当に親切丁寧に御教示くださり感謝しています。
写真を見ると雨だったんですね。そしてきれいな虹です。私も初日から雨で苦労しました。
@あの時の亀
雨天は色々と気を使いますよね。
この時の雨後の虹にはとても感動しました。