#4 雲外蒼天

#4 雲外蒼天

当初は空港からタクシーや電車などを使って霊山寺まで行ってしまおうと考えていましたが、後によくよく落ち着いて考え、それは何か違うなと思い、
"徳島まで飛行機で運んでもらうんだから、そこからは歩いて行こう"と、思いを改めました。

空港から霊山寺までは確か10km程だったと思います。
ついに四国へ来たんだという高揚感と、10日間で果たしてどこまで歩けるのかという若干の不安感が入り混じる中、霊山寺を目指しました。
途中休憩を取ろうと雨風をしのげる場所を探しましたがなかなか見つからず、ようやく見つけた道路の高架下。折り畳みの小さなマットを敷いて一休みしました。(前回投稿の写真がその時の様子です。)

蓮の畑が広がる田園地帯を抜けてしばらくすると「霊山寺まで〜km」の看板が見えて来ました。
途中、霊山寺参拝の予行演習も兼ねて東林院(種蒔大師)に立ち寄り参拝。天候の為か他に人影は無く、閑かな境内でした。
当時は声を出して読経する事にまだまだ恥ずかしさが有り、所々詰まりながらの拙いものでした。

その後もてくてくと歩き、14時頃霊山寺付近に到着。すぐ側のローソンで身支度を整えていると、にわかに晴れ間が差し雨が止みました。

四国遍路を歩くにあたり参拝の作法は調べて練習して来ましたが、それ以外の事はあまり知らずに現地へ来ていました。
2回目以降の区切り打ちでは予め1日の行程を決めて歩いていますが、1回目のこの時は1日でどれくらい歩くのかも、どこで寝泊まりするかも全く決めていませんでした。
一応、野宿できるようにと寝袋は持参していましたが、この日は風雨の為か思ったほど距離が伸びず体も冷え疲労感が増していた為、宿を取る事にしました。

黄色の地図を開いて付近の宿を探し、まず電話を掛けた二番札所極楽寺の宿坊は現在休業中との事。
さてどうしたものかと、次に直感で電話をかけた「お遍路ハウス一番門前通り」さん。
数回の呼び出し音の後、女性の方が応対に出られ、
「本来は4月一杯休業なんだけど…」
と仰りつつも宿泊させて頂ける事になりました。

思えばこの御縁も有り難く、不思議なものでした。

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コメント

  1. 楽しく読ませていただいてます。初めの頃の不安感と期待感が入り混じってなんとも言えない不思議な気持ちを自分ごとのように思い出しました。私も読経が恥ずかしくて声に出せませんでした。

  2. 空港から歩くなんて‥
    今後の展開も楽しみにしてます!

  3. 宿取りは計画通り行かなくって難しいですよね、そこが面白かったりもするのですが。次回も楽しみです!

  4. @くまごろう
    そうですよね。
    初めの頃は参拝の手順が前後してしまったり、声を出しての読経に躊躇いがあったりと、御寺様の中でギクシャクした動きをしていた様に思います。

  5. @ひろ(歩き)
    当初は”如何に早く巡るか”という事ばかり考えていましたが、それは違うなと思い、
    半ば思いつきのような感じで歩いてみようと思いました。

  6. @naru
    そうですね。宿取りは悩みの1つですね。
    そんな中でも偶然に繋がった御宿さんとの御縁で、思わぬ出来事や出会いがあったりとそれも魅力ですね!

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