#20 夏遍路

#20 夏遍路

1回目の区切り打ちを終え、次回3ヶ月後の2回目は夏場である事を見据えて暑い時季はどんな感覚かと、6月末に歩いてみました。

当日は気温30℃ 湿度高め。目標である高幡不動尊まで約40km弱の終始平坦な市街地。
序盤は難なく歩いていましたが途中から異常な発汗量と疲労感に襲われ、終盤の残り4km程で熱中症になり動けなくなる一歩手前まで追い込まれてしまいました。

細かい休憩で刻みながら何とか御寺様へ辿り着く事は出来ましたが、読経中も上昇した心拍数と全身を伝い落ちる汗が治らず危うい所でした。

やはり真夏に歩くのは容易では無いのかもしれないと、失敗に終わった試歩を噛み締めました。

2回目の区切り打ちは2022年8月11日から16日までのお盆休みを利用して行いました。

1回目の区切り打ち中、お遍路さんに教えて頂いた夜行バスという手段で四国入りする為、東京駅から徳島県の阿波橘駅付近までおよそ10時間の乗車。

人生初の夜行バス。座席はほぼ横になる程リクライニングするも、目を瞑っているだけで眠る事は出来ませんでした。

左窓側カーテンの色が変わり始めた事に気付き隙間を覗くと、眼下の波間に浮かぶ漁船と渦潮が四国に戻った事を報せていました。

下車後、阿波橘駅から日和佐駅へ。
木々を掻き分けるように進む牟岐線車窓からの景色は素晴らしく、特に出口が豆粒ほどに小さく見える長いトンネルは、童心に返ったような心踊る思いでした。

日和佐駅から再びの薬王寺。
参拝と納経を済ませ、いざ室戸岬へ。
気温は33℃程でしたが湿度がやや高く、発汗と体温の上昇によりジワジワと体力を削られていく感じでした。

薬王寺を出発してから2、3時間程。
歩いていると足に違和感を感じ、暫くすると左足ふくらはぎが攣りました。その場でストレッチを繰り返して再び歩き始めましたが、今度は両足のふくらはぎが攣り思わずその場に座り込んでしまいました。

靴を脱ぎ足先を見ていると、自分の意思とは無関係に足指がゆっくりと曲がり始め、硬直して激痛が走りました。
痛みを耐えてストレッチを繰り返し、何が原因かと考えながら塩タブレットを数個かじり水で流し込みました。

その後歩き出すも幾度となく攣ってはストレッチの繰り返し。"初日リタイア"の文字が頭をよぎり試されているのかと、そう思いました。

別格四番鯖大師参拝を済ませ、どうにか歩を進めて海陽町浅川辺りで休憩中、当日の宿「遊遊NASA」に電話を入れ現在地と少し遅くなる旨伝えました。
すると「まだかかりそうですね。お迎えに行きましょうか?」と、有難い助け舟のお申し出。
しかし歩ける限りは歩くと決めていたので丁重にお断りすると、
「19時までには入って下さい。」と刻限を告げられました。

足の痛みはありましたが何とか攣らなくなり、時刻を確認するとギリギリ間に合うかどうかというところ。
ここからは意地でした。

19時数分前。なんとか宿へ到着。受付を済ませて転がり込む様に部屋の中へ。
杖の先を洗い壁際の机の上に立て掛け、南無大師遍照金剛とお唱えし無事歩き切れた事に感謝しました。

続いて風呂へ直行。
有難いを連呼しながら湯船につかり、よくやってくれたと何度も全身をさすりました。

この日は満月の前日でした。
部屋から見えた小望月に癒され、倒れるように眠りにつきました。

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コメント

  1. わたしも深夜バスは苦手です。バスがそうなのか、ワクワク感がそうなのか、全然寝れません。

  2. 夏は脱水で足がつりやすくなるそうです。冷えやむくみからくる血液循環の悪さからもあるそうで長く乗ったバスが原因かもしれませんね。

  3. @あの時の亀
    コメント有難う御座います。

    夜行バスは早朝に現地に入れる事や料金の面でメリットは有りますが、合う合わないはありそうですね。
    環境的には割と快適だったと思うのですが、全然眠れませんでした。

  4. @くまごろう
    コメント有難う御座います。

    なるほど、様々な要因があるのですね。
    長時間の乗車と寝不足が原因の1つだったかもしれませんね。

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