初日の宿「お遍路ハウス一番門前通り」さんで出会った大道芸人さんとの雑談の中で、なぜ四国遍路に来たのかと尋ねられ、以前書いたように"般若心経を唱えていた折呼ばれた"旨お答えすると、こんなお話をして下さいました。
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玄奘三蔵が国禁を破り天竺へ向けて密かに旅立った日の事。
道中でボロ布の様なものに出くわしました。
よく見るとそれは病に倒れた老婆でした。
声をかけると、その病は口から膿を吸い出す事で治るとの事。
玄奘は躊躇いながらも老婆の口から膿を吸い出そうとすると、老婆は俄かに化け菩薩の姿になりました。
その菩薩曰く、
「この先どんな困難があろうとも、これより授ける経を唱えれば、たちどころに霧は晴れ道を照らすであろう。」
と授かったのが般若心経である、というものでした。
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お経や真言を唱える事には何らかの"作用"があるような気がしています。
数日後に宿泊した「山茶花」さんでの不思議な体験も真言にまつわるものでした。
・一期一会
翌朝出発前。
前出の尼僧の方からお遍路初心者3人へ、お接待として贈られた念珠を頂きました。念珠は法具としての他に御守りの意味もあるそうです。頂いた念珠は今でも四国遍路用のバッグに入れています。
その後、高原さんと大道芸人さんが外までお見送り下さり、
「困ったら電話して来なさいよ。」
と、お声がけ下さいました。
心に沁み入る言葉。
忘れ難い一期一会となりました。
🙏
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(写真は昨夏訪れた埼玉県さいたま市に在る慈恩寺様の玄奘塔です。こちらには玄奘三蔵の遺骨の一部が泰安されています。)
コメント
特にエピソードはないですが般若心経にはパワーを感じます。不安になったとき、これからやるぞっていう時に口ずさむと後押ししてくれるような気がしています。
@くまごろう
そうですね。何か定まるような感じはありますね。
般若心経はお釈迦様の教えとは少し異なり、あらゆる一切は実体の無い”空”であり”無”である、と説いています。
もっと深く追求していけば、その意図する所が分かるのかも知れません。