#15 結願

#15 結願

教えて頂いた道を進み鮎喰川を渡ると、徐々に中心街らしい街並みへと変わっていきました。徳島駅近くに差し掛かった頃、突然「お遍路さん!」と何処からか声がかかり辺りを見回すと、通りの向こうから横断歩道を渡って1人のお遍路さんが近付いて来ました。

見ればお若い女性で「お接待です!」と、袋に入った金平糖を下さいました。
他のお遍路さんからお接待を頂いたのはこれが初めてでした。

お話を聞くと結願してこれからフェリーに乗り高野山へ向かうとの事。その様相とお話しから通し打ちで回られたようでした。
お遍路の装束を着ているとはいえ、私のような無精髭のオッサンに話しかける度胸に感服。
力強い真っ直ぐな眼をした方でした。

その後暫く歩いて当日の宿に到着。
フロントでの手続中、シーズンの為通常より割増料金との御説明。
ゴールデンウィークや年末年始等、一般的な長期休暇を利用しての区切り打ちの為、割増料金や宿の不足などは致し方のない事で、泊めて頂けるだけ有難い事です。

体が炭水化物を欲していたので、夕食は普段食べないコンビニの弁当や菓子パンなどを大量に購入。食後に地図を開き、この先の行程を考えてみました。

実は四国遍路へ来る前は、10日間で鶴林寺か大龍寺辺りで時間切れになるかと予想していました。
しかし予想よりも先へ進めると判り、残りの五日間で別格三番の慈眼寺を含めた二十三番薬王寺までの「一国打ち」を目指す事としました。

この日の夜に最終日迄の宿を全て手配出来た為、翌日ヤマト運輸の営業所に立ち寄り、寝袋や余分な着替えなどを自宅へと送りました。これで幾分か荷物を軽くする事が出来ました。

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コメント

  1. 地元の方からお接待いただくのも嬉しいですが同じお遍路さん同士のお接待も頑張れますね。

  2. いつも楽しく読ませていただいています。
    始まりと結願した後では自分でもわかるくらい人に優しくなれた気がします。そしてきっとあなたも。

  3. 宿で地図を広げて計画を立てるのって楽しいです。良くも悪くも思い通り行かないのも冒険心をくすぐられます。

  4. おへんろは痩せそうとか思ったりもしますが実際は太りますよね。それだけカロリーを欲してるんだと思います。普段飲まないコーラがとびきり美味しかったり。

  5. @あの時の亀
    同じお遍路さんからお接待を頂くのは申し訳ない気持ちになります。
    まだ自分からお接待をした事は無いので、今後のお遍路中にお返ししていければと思います。

  6. @考え中
    私もそうなれたら良いなとは思いますが、なかなか難しそうですね。
    結願を迎える頃には今の自堕落な生活が少しでも良い方向に変わればと思います。

  7. @くまごろう
    そうですね。地図を見ながら、ここはどんな道なんだろう、どんな景色が待っているのだろうと想像するのは楽しいですよね。

  8. @naru
    そうですね。私は体重が落ちるのですが、お腹周りの脂肪は最後まで残りますね…
    そして普段の生活に戻れば体重も戻ります(笑)
    お遍路中は普段食べない甘い物とかお菓子なんかが凄く美味しく感じたりしますね。

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