#28 寒波

#28 寒波

夏の区切り打ちから約4ヶ月後の2022年12月末。
三回目の区切り打ちが近づくにつれて日を追うごとに、ソワソワしたような気持ちの昂ぶりを感じていました。

昨年末は全国的に寒波が寄せ東北地方では災害級の豪雪となり、高知県でも大雪警報発報と観測史上最多の降雪を記録したとの事でした。

出発数日前のニュースに流れていた桂浜の冠雪した坂本龍馬像を見て、今回はあの辺りを歩くんだなぁと、状況の厳しさを想像しながらも何故か気持ちは少し高揚していました。

12月29日の午前中に四国へ入り、先ずは善楽寺と土佐神社へ巡礼再開の御挨拶。
大雪の名残は如何程かと身構えていましたが街中に残雪は見られず、巡礼中に札所の境内や山の影などに少し見られた程度でした。

善楽寺から竹林寺へ向かっていると御寺の在る五台山と思しき山が徐々に迫り程なくして山路へ。

下半身への負荷と心拍の上昇を感じて、また遍路へ戻ってきたのだと実感しました。

この日は桂浜付近までの行程だったので割と余裕があるかと思っていましたが、禅師峰寺を下りた辺りで右足踵のマメを感知し、その後痛みが増して歩速が落ちていきました。

冬場は陽の落ちが早く、16時頃から文字通り"つるべ落とし"のようにとあっという間に夕闇に包まれていきます。

浦戸大橋を渡り切る頃には西空の彼方に宵闇に追われた陽が別れを告げるように橙に輝き、美しいグラデーションを描いていました。
写真を撮りながらしばらく眺めているとすっかり暗くなってしまったので、ヘッドライトを着けて先へ。

当日の宿は「民宿まさご」。
宿へと到着し荷を下ろして靴下を脱ぐと右足踵に500円玉大のマメが。
窓の外を見ると浦戸大橋と町の灯が水面に映っていました。
初日の疲れを癒す温かいお風呂と寝床を頂けたのは有難い事でした。

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コメント

  1. 私も区切りにしても再開時は初遍路のような胸の高まりが期待や希望、それに不安に満ち溢れて素敵な瞬間でした。冬の冷え切った境内は身も心も引き締まります。

  2. 冬は日没が早く思ったより進めませんね。休憩も長くとると体が冷えていつもの調子が出ませんでした。

  3. @あの時の亀
    コメント有難う御座います。

    そうですね。
    慣れからなのか前回辺りから少し落ち着いた心持ちなって来ましたが、区切り打ち3回目頃までは遍路の道中などあれこれと考えてワクワクしたり無事歩き切れるか不安になったりしていました。

  4. @考え中
    コメント有難う御座います。

    仰る通り冬場は日照時間が短い為、活動時間が限られてしまいますね。
    寒い時期は暖かい時期に比べて不調が出やすいので、その辺りも気をつけています。

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