篠山を後に徒然と、考え事をしながら篠山神社の奥の院である少林寺へ向かいました。
この道中にも"日本の古き良き"といった感の風景が残されており、脂ぎった都会の喧騒と煤けた空気で育った身としては心の芯に語りかけてくるものがありました。
少林寺への道を進んでいたつもりが地図を読み違えていたようで、畑仕事をされていた地元の方にお聞きすると「1km程行き過ぎています。」と教えて下さいました。
来た道を戻りながら己の失態にもかかわらず苛立つ有様。
少林寺に到着し阿弥陀堂の階段に腰掛けて休んでいると、戒めるような柔らかい雨が降り始めました。
いかんいかんと深呼吸を数回。
心を納めるというのは容易な事では無いのだと不覚を恥じました。
この後は平坦な道をひた進み、途中では道に添う様に流れる「千畳敷」という小さな滝状の流れが階段状に幾重も続く清流に出会いました。
時間の都合で立ち寄れませんでしたがこの付近にはいくつかの滝もあるようでした。
更に暫く歩いて満願寺へ。ここで観自在寺から先、幾つかに分かれていた道が交わるのだと地図を見ながら理解出来ました。
更に更に歩を進め当日の宿地である岩松町へ。
この岩松という町も懐に川を抱いたような風情のある町という印象で、初めて訪れたはずが何故か懐かしさを感じるその情景を今でもよく覚えています。
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当日の宿「よしのや」では御主人が温かくお迎え下さいました。
実は宿入りの刻限を19時と告げられていたので正直間に合うかどうか微妙でしたが、満願寺を出た時点で宿着は18時頃と読めたので焦らずに歩く事が出来ました。
ルートの説明が不十分な事もあったかも知れませんが事前の予約時に入宿の刻限を何度か確認されていたので、恐らく御主人は間に合わないのではと思われていたようでした。
到着時に地図を開きこうこう歩いて来ましたとお伝えすると、道程はともかく間に合って良かったとお迎え下さいました。
素泊まりの為、自転車をお借りして近くのスーパーへ。見知らぬ土地のスーパーや商店に入るのが楽しみの一つでもあったりします。
鯖寿司と惣菜を一つ二つ購入して宿へと戻り、いつものように入浴洗濯食事を済ませて翌日分の納め札に記入していると眠気が襲い、早々に就寝しました。
コメント
写真のような自然豊かな道が好きなのでとても興味深いです。おそらくほとんどの方が海沿いを歩かれる事と思いますが、まだ知らない遍路の一面を見たような気がします。現地には道案内が少ないとはいえ1km行き過ぎは辛かった事でしょう。お疲れ様でした。
私もよく素泊まりを利用することがありますが、地元のスーパーで食材を選ぶのは楽しいです。栄養バランスが偏ったりしますが好きなものだけを食べれる特別な日と思って旅を楽しんでいます。
@あの時の亀
コメント有難う御座います。
篠山を下りた後の美しい景色には癒されましたが、海側や中道の方もきっと素晴らしいのでしょうね。機会があれば歩いてみたいです。
地図をよく見れば目印になる物を示してくれていたのですが、先を急ぐあまり見落としていました。まだまだですね。
@考え中
コメント有難う御座います。
旅先のスーパーなどではその土地ならではの食材があったりと見ているだけでも楽しいですよね。
数日間歩いていると体重が結構落ちるので、仰るように私もバランスを考えずに好きなものを食べて体重が落ち過ぎないようにと高カロリーな食事になっていますが、確かにそれも遍路の楽しさの一つですね。